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ガイド · セビリア

旅行者のためのスペインの治安ガイド:スリ・詐欺の手口と盗難に遭ったときの対処法

スペインは気軽に旅行できる国ですが、観光地や公共交通機関ではスリや置き引きなどの軽犯罪が起きており、そのほとんどは注意がそれた隙をねらったものです。いくつかの簡単な習慣を身につけるだけで、大半は防げます。この記事では、スペイン国家警察と日本の外務省が紹介している手口、街なかやテラス席、交通機関での持ち物の管理方法、そして盗難に遭ったときやパスポートをなくしたときの対処法を、セビリア、マラガ、グラナダ、コルドバの例を交えて順を追って説明します。

写真:Carlos Delgado, CC BY-SA 4.0

2026年10月17日更新

スペインは安全な旅行先ですか?

全体としては安全です。2026年10月17日時点で、日本の外務省は海外安全ホームページでスペインに危険情報を発出していません。

実際に多いのはスリや置き引きなどの軽犯罪です。外務省によると、在スペイン日本国大使館(マドリード)と在バルセロナ日本国総領事館が把握している日本人旅行者の被害は、ほぼすべてがこの種の盗難です。現場は公共交通機関や駅、モニュメントや観光地、ホテルのロビー、バルやレストランなどです。特定の地区に限った話ではなく、人が多く、注意がほかに向いている場所で起こります。

基本の考え方はシンプルです。必要なものだけを持ち、分散して持ち歩き、誰かに気をそらされたら、まず自分の持ち物を確認しましょう。

よくある手口

以下は、日本の外務省がスペインのページで紹介している手口です。ほとんどに共通するのは、一人が気を引き、その隙に別の人が盗むという点です。

  • 気をそらす。 ぶつかる、質問する、地図を顔の前に広げる、硬貨を地面に落とすなど。そちらに気を取られている間に、別の人がバッグやポケットから財布を抜き取ります。
  • 服の汚れを指摘する。 ケチャップやアイスクリーム、何かの液体が服に付いていると声をかけ、拭いてあげると申し出ることもあります。その間にバッグや財布がなくなります。
  • スーツケース運びを手伝う。 駅の階段で数人が荷物を運ぶと申し出て、その間にポケットの中身を抜き取ります。エスカレーターが急に止まったときに手助けを装う人にも注意するよう、外務省は呼びかけています。
  • 置き引き。 レストラン、カフェ、ホテルのロビー、駅、空港で、床や隣の椅子に置いた荷物を持ち去ります。ホテルのチェックイン・チェックアウト時や、ビュッフェ式の朝食時は特に注意してください。
  • ひったくり。 人通りの少ない通りで、ときにはバイクに乗ったままバッグを奪います。バッグは体の前で、車道と反対側に持ちましょう。
  • 空港でのカードすり替え。 日本語や英語で「日本行きの便に乗り遅れたがカードがない」と話しかけ、現金と引き換えに機械での支払いを頼んできます。何度も支払いをやり直させるうちに、あなたのカードをよく似たカードとすり替えます。このような依頼には応じないでください。しつこい場合は、航空会社の職員か空港警察に助けを求めましょう。
  • ATM。 国家警察によると、現金を引き出している最中に気をそらし、お金を奪う手口があります。キーパッドは手で隠し、手助けの申し出は断りましょう。
  • 車を運転する場合:偽のパンク。 タイヤがパンクしていると声をかけ、停車したところで車内の物を盗みます。すぐには止まらず安全な場所まで走り、車を離れるときは必ず施錠してください。

パスポート、お金、スマートフォンの持ち歩き方

  • パスポートは常に身に着ける。 日本の外務省によると、スペインでは外国人に身分証明書の常時携帯が義務づけられており、旅行者の場合はパスポートがこれにあたります。ファスナー付きの内ポケットや服の下に着けるポーチに入れ、ズボンの後ろポケットやリュックの外ポケットには絶対に入れないでください。顔写真のページを撮影してスマートフォンとクラウドに保存しておくと、紛失時の手続きがスムーズになります。
  • お金とカードは分散させる。 現金を多く持ち歩かず、一か所にまとめないようにしましょう。カード1枚は財布に、もう1枚は別の場所に入れておくと安心です。
  • 財布は人目にさらさない。 支払い用の少額のお金をすぐ出せるようにしておき、路上で紙幣を数えるのは避けましょう。
  • スマートフォンは手に持つか、しまっておく。 カフェのテーブルの上や後ろポケットに入れたままにしないでください。出発前に画面ロックと端末を探す機能をオンにしておきましょう。
  • 旅行の予定をSNSに投稿しない。 国家警察は、留守中に旅行の予定を投稿しないよう呼びかけています。
  • 警察には落ち着いて対応する。 警察官に身分証明書の提示を求められたら、落ち着いて見せましょう。外務省は、スペインでは警察官と口論になると、ささいなことでも深刻な事態になりかねないと注意を促しています。

テラス席、バル、レストランでは

テラス席はアンダルシア旅行の大きな楽しみの一つですが、最も油断しやすい場所でもあります。

  • バッグは膝の上か目の届く場所に置き、椅子の背もたれに掛けたり背後の床に置いたりしないでください。
  • 床に置く場合は、脚やストラップを持ち手に通しておきましょう。
  • スマートフォン、財布、サングラスはテーブルの端に置かないでください。通りに面した席では特に注意が必要です。
  • 紙や地図、売り物などを見せに来た人がそれをテーブルの上に置いたら、目を向ける前に自分の持ち物を手元に引き寄せましょう。
  • ホテルのビュッフェ式朝食では、料理を取りに行く間にバッグを椅子に置きっぱなしにしないでください。

公共交通機関や人混みでは

国家警察は、公共交通機関ではバッグを閉めて体の前で持ち、前のポケットを使うよう勧めています。リュックも同様で、地下鉄やバスの車内、行列では前に抱えましょう。

特に次のような混雑した場所では、これらの注意を心がけてください。

  • 駅や空港:セビリア・サンタ・フスタ駅やマラガ・マリア・サンブラノ駅などでは、荷物を持っての乗り降りや階段の上り下りに注意しましょう。飛行機で到着する方は、セビリア空港ガイドで中心部への行き方を紹介しています。
  • モニュメントの行列や入口:セビリアのアルカサル、グラナダのアルハンブラ宮殿、コルドバのメスキータ・カテドラルなど。
  • ショッピング街や祭り:マラガのラリオス通り、セビリアの聖週間(セマナ・サンタ)の行列や春祭りなど、人と人が密着するほど混み合う場所です。

電車やバスでは、スーツケースや荷物棚のバッグから目を離さないでください。ホームや乗降口で急に数人に囲まれたら、バッグをしっかり押さえてその場を離れましょう。

盗難に遭ったら

1. 緊急時や盗難の最中であれば、112(緊急通報、スペイン全土共通)または091(国家警察)に電話してください。

2. カードを止める。 銀行やカード会社に電話するか、アプリで利用を停止します。連絡先の電話番号は財布とは別の場所に控えておきましょう。スマートフォンを盗まれた場合は、別の端末からメールや各種アカウントのパスワードを変更してください。

3. 警察に届け出る。 パスポートの再発給申請には警察の被害届が必要で、保険会社からも提出を求められることがあります。届け出の方法は3つです。

  • 国家警察の警察署で。 最寄りの警察署は警察署検索で探せます。
  • オンラインで、バーチャル被害届窓口から。スペイン語、英語、フランス語、ドイツ語に対応しています。手続きの最後に受付番号が発行され、72時間以内に、選んだ警察署で被害届に署名する必要があります。署名がなければ被害届は無効です。暴力や脅迫があった場合、加害者を知っている場合や目撃者がいる場合、18歳未満の場合、犯罪が進行中の場合は利用できません。
  • 電話で、902 102 112(外国人観光客向けの被害届受付番号)へ。アンダルシア州政府によると、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語で対応しています。この場合も、後日警察署で被害届に署名する必要があります。

被害届の控えは必ず保管しておきましょう。

4. SATEで自分の言語でサポートを受ける。 外国人観光客支援サービス(SATE)は、犯罪被害に遭った観光客のために設けられた、通訳のいる国家警察の窓口です。被害届の作成のほか、領事手続き、カードの停止、家族への連絡なども手伝ってくれます。国家警察のSATEは、マドリード、マラガ、マルベーリャ、エステポナ、ベナルマデナ、ベニドルム、ガンディア、マナコール、プラヤ・デ・パルマ、イビサ、マオン、セビリア、グラナダにあります。アンダルシアの窓口は次のとおりです。

SATE 住所 電話
セビリア Patio de Banderas, 4(バンデラスの中庭) +34 954 56 47 67
マラガ Plaza de la Marina, 11(マリーナ広場、観光案内所内) +34 951 92 61 61
グラナダ Calle Cárcel Baja, 3(大聖堂の隣) +34 958 27 88 16

住所は在マラガ・ドイツ領事館の資料(2025年7月)に基づきます。訪れる前に電話で、受付時間と自分の言語の通訳がいるかどうかを確認してください。コルドバは国家警察のSATE一覧に含まれていないため、警察署に行ってください。

旅行中の安全に関する質問(犯罪の届け出は除く)は、国家警察のメールアドレス[email protected]で受け付けています。また、被害者や目撃者として犯罪や危険な状況を警察に通報できる無料アプリAlertCopsもあります。

日本のパスポートをなくしたら

日本の外務省は、次の手順を案内しています。

  1. 滞在先の現地警察に紛失・盗難を届け出ます(国境を越えずに届け出てください)。
  2. 日本国大使館または総領事館で、新しいパスポートか帰国のための渡航書を申請します。必要書類は事前に電話で確認してください。
在外公館 住所 電話
在スペイン日本国大使館 Calle Serrano, 109, 28006 Madrid +34 91 590 76 00
大使館 領事・警備班(直通) +34 91 590 76 14
在バルセロナ日本国総領事館 Av. Diagonal, 640, 2-D, 08017 Barcelona +34 93 280 34 33
在ラス・パルマス領事事務所 Calle Triana, 120, 3rd floor left, 35002 Las Palmas de Gran Canaria +34 928 24 40 12

日本を出発する前に、3か月未満の旅行者向けの外務省のサービスたびレジ (Tabireg)に登録しておきましょう。日本語で安全情報が届き、万一の際には大使館から連絡を受けられます。

日本国籍以外の方も、手順はほぼ同じです。警察に届け出たうえで、自国の大使館または領事館に連絡してください。

医療の緊急時

医療を含むあらゆる緊急時の番号は112です。警察、消防、救急につながります。

  • 海外旅行保険。 治療費が非常に高額になることがあるため、日本の外務省は医療補償の手厚い保険に加入して旅行するよう勧めています。出発前に補償内容を確認し、緊急アシスタンスの電話番号を保存しておきましょう。
  • EU在住の方は、欧州健康保険カードを持参してください。欧州委員会によると、公的医療機関では使えますが、民間の医療機関での受診や本国への搬送には使えません。
  • 薬。 スペインでは処方箋がないと買えない薬もあります。常備薬は日本から持参しましょう。

外出前に手元に用意しておくもの

  • 112(緊急通報)と091(国家警察)。
  • 902 102 112(外国人観光客向けの電話による被害届)。
  • 大使館、保険会社、銀行の電話番号(財布とは別の場所に控えておく)。
  • パスポートと保険証券の写真(スマートフォンとクラウドに保存)。
  • 助けが必要なときに電話や地図、翻訳アプリを使うためのモバイルデータ。例えばeSIMなど。

旅を存分に楽しむために、毎日のコンサートや展覧会、アクティビティはセビリアのイベントカレンダーでチェックできます。

よくある質問

スペイン旅行は危険ですか?

いいえ、全体としては安全な旅行先です。観光客に最も多いトラブルは、観光地や公共交通機関でのスリや置き引きなどの軽犯罪です。2026年10月17日時点で、日本の外務省はスペインに危険情報を発出していません。

スペインではパスポートを携帯しなければなりませんか?

はい。外国人には身分証明書の常時携帯が義務づけられており、旅行者の場合はパスポートがこれにあたります。内ポケットや服の下に着けるポーチに入れておきましょう。

スペイン語が話せなくても盗難の被害届を出せますか?

はい。バーチャル被害届窓口は英語、フランス語、ドイツ語に対応しており、902 102 112では英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語で対応しています。その後、警察署で被害届に署名する必要があります。SATEでは通訳のサポートを受けられます。

日本のパスポートを盗まれたらどうすればいいですか?

警察に盗難を届け出たうえで、マドリードの在スペイン日本国大使館(+34 91 590 76 00)または最寄りの総領事館に電話し、新しいパスポートか帰国のための渡航書を申請してください。

スペインの緊急通報番号は何番ですか?

112です。警察、消防、救急のいずれにも対応しています。国家警察には091でも連絡できます。

セビリアに観光客向けの支援窓口はありますか?

はい、国家警察のSATEがバンデラスの中庭(Patio de Banderas, 4)にあります(+34 954 56 47 67)。受付時間は事前に電話で確認してください。

情報源

以下の公式サイトで確認した情報です。時間や料金は変更されることがあるため、お出かけ前にご確認ください。